2018年 06月 12日 ( 1 )

 

原稿起こしの苦労

d0013739_09220532.jpg
 いつぞや親父の遺稿を電子化しておこうとキーを打ち始めたと書いた。原稿用紙にして415枚もある。それが今日の段階で226枚目に達した。半分は超したわけで、これで少しは目途が立ったというものの、いささかうんざりもしている。
 何しろ、日本の一番古い書、古事記にまつわる大和の国、創世の頃の話である。歴史だか神話だか混沌としたことばかりで、見慣れない聞き慣れない人名や神さま、神号、地名に加えて中国や朝鮮の地名人名などの漢字もぞろぞろ。加えて明治生まれの古い人間の文字や用語の使い方がいまのボクらの言葉遣いとは違っていて随分と戸惑う。
 読み方の分からない文字も頻繁に出てくる。その度に広辞苑を引き漢語林をめくり、一語一語確認しなければならない。さらには古い漢字の変換には困惑する。手書きで打ち込んでは文字をさがし当てていかなければならない。さすがに親父もこれは必要と思ったのかふりがなも盛んに出てくる。ある項目ではその連続だ。まるで自然林のジャングルを一枝一枝掻き分けて進むようで遅々としてはかどらない。
 さらに、どうも表現が回りくどかったり、何度も同じ話が出てきたりで、展開が今ひとつスムースでない。文体もこの種の内容を語るには今ひとつのようにもとれ、自分ならこうするなと思う個所もしばしば。おまけに送り仮名の使い方も古い。つい現代仮名遣いに直したくなる。だがまてまて、これは親父の原稿に忠実にがモットー。だから下手にいじるなと我が身に言い聞かせては我慢することも再三再四。作業は予想以上に厄介である。
 お陰で原稿から稿を起こし出版に至る迄の編集子の苦労とはこういうものかと経験する羽目になった。ときにはさじを投げ出したくなる気持ちもこみ上げてくるが、何とかそれは抑えている。

にほんブログ村 シニア日記ブログ 70歳代へ
にほんブログ村
[PR]

by natsuman | 2018-06-12 10:07 | 書き物 | Trackback | Comments(0)