俗に”絶海の孤島”というのがある。小笠原には週1回の定期航路があって、小笠原丸が概ね往路三日、復路三日かけて往復している。
その途中、八丈島をはるかに南下すると、突然、大海原の中に巨大な岩が佇立しているのに出くわす。孀婦岩だ。そーふがんと読む。
巨大とはいえ大海原の中だから一見大きくは見えない。しかし近づいてみればその高さ約100m。ほぼ垂直にまるで発射前の宇宙ロケットのように屹立してる。
まるで鎗の穂先、槍ヶ岳よりも突っとんがっている。しかも水面下にも同じような岩がなお続いている。見えるのはそのほんの一部。
こんな地形はそうそんじょそこらにはない。取り巻く海水を取り除いた格好の上の画像。マルチビームで探索して地形処理した海底火山の全容は世界でも第一級の景観だ。タモリにこれを見せたら一体何というか。(笑)
そんな凄まじい姿をNHKが見せてくれた。一昨晩のことだ。以前から一度これを現地で見てみたいと念願していたが機会はいまだにない。でも影像で充分に堪能させて貰った。でも一度この岩頭の下から上を見上げてみたいもの。何度見てもこれは奇景だ。
なおこの岩の天辺に登った御仁がいる。海面からいきなり垂直に聳え立つ岩壁の凄さはそうは簡単にはと思えたが、そこは第一級のアルピニスト。案に相違して難なく登り切った。そこに草が生え、虫がいるというのも驚きだ。
絶海の孤島に夕日が落ちる。正に〝絶海”の光景だ。
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