昨日の続き。今回の経験で山梨のワイナリーで良い雰囲気の所を一つあげるとすれば原茂ワイナリーだろう。はらもと読む。一般的に聞こえる有名ワイナリーも悪くないが、いかにも地元の農家風ワイナリーという雰囲気には遠い。
その点、原茂さんは妙な喧噪もなく雰囲気が大変宜しい。元養蚕農家の建物を巧く利用した木造のワイナリーも気に入った。しかも二階にはレストランまである。車だったので試飲出来なかったのが残念だったが。次はまずここと決めた。
その庭先にとてつもなく大きな葡萄の樹があることに気がついた。幹の太さといったら人間よりも太い。たった一本で四方八方に枝を伸ばし、とても老樹とは思えない。その木陰だけで家1軒が十分に建ちそうなほど広大な樹陰を作っている。もちろん伸びた枝先には随所に大きな実が生っている。
園内にいくつもある建物の作業所と思われる一角で妙齢の品の良いご婦人が作業していた。思わず声を掛けたところ「こんなに太いブドウはこの地でもちょっと珍しいんですよ」と返ってきた。見た目は今流行のシャイン・マスカットに似ているがシトロングという種類だそうな。「種なしにできるのだけれど販売用じゃないので放ってあります」。なんだかご老婦人の趣味のために作ってあるような言い方である。どうやら原茂さんの御祖母であるらしい。
「私はみんな人にあげちゃうんですよ」と笑って云う。「
ちょっと食べてご覧なさい」と無造作に大きな房を出した。遠慮なく口にするとこれが実に甘くて美味しい。確かに僅かにだが種がある。でも美味しい。 すると「良かったら摘んでいいですよ」と今度はハサミに脚立まで持ち出してきた。良いところを切りなさいというのだ。家内は直ぐに飛びついた。そこは女である。誘いに乗って、ついでに調子に乗って、大きな房を三つも頂戴してしまった。思わぬ葡萄狩りの一コマになった。
ウン、次はここへ試飲に直行だなと心に決める。もちろん何本か購入した。
原茂さん、美味しい大きな房をありがとうございました!
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