船員教育は二本立て
と云うと、もっと大きな帆船や練習船があるではないかと思われるお方もあるだろう。
大成丸や青雲丸、銀河丸で、これらも館山湾には良くやってくる。
だが、これら帆船も動力船も、みな旧航海訓練所に所属している。
大学が直接、船の維持管理や運航をしているわけではない。
船の運航や維持管理は容易ではない。学校は教育に専念したい。
船員教育は古くは旧運輸省の所管事項。商船高校や商船大学、海技大学院等がある。
それら学生の海上実地訓練を、海技教育機構が受け持っている。
しかし、こちらは旧運輸省のような船舶管理別立ての考えを持たなかった。
それでは学校が直接練習船を持たざるを得ない。
そこで水産部門を抱える大学は国に、水産高校は都道府県に支えられて、
それも一丁前の船長や航海士を育てるために専門教育を盛んに行った。
一方、漁業振興の一環として漁船船長や航海士の教育も全国的に進められた。
とはいえ船長や航海士を育てるのに商船も水産もない。
どちらも海技技術者を育てるためだ。その教育内容に大きな違いはない。
水産学校から商船に乗る人もいる。商船学校を出て漁船に乗る人もいる。
しかし、海上という環境下で求められる技術や知識、必要な経験に大きな違いはない。
海上衝突予防法をはじめ国際的に課せられるルールに違いはない。
どちらも同じ海員教育に変わりはない。
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by natsuman | 2017-10-10 13:12 | 艦船舟艇 | Trackback | Comments(0)