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米艦側がどう釈明するか

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イージス艦とコンテナ船の衝突事故。どうも米艦側が怪しくなってきた。
コンテナ船が先に気がついて自船の存在をイージス艦に知らせようとライトを付けるなどして注意を喚起したらしい。
しかし一向に変化がない。衝突の危険を感じたコンテナ船は急遽、手動操舵に切り替え、右に舵を切ったものの間に合わず衝突したと云ってるらしい。
残念ながら米艦側の説明はない。米国のコーストガードが調査に乗り出したようだが、日本のコーストガードである海保は米艦を調べられない。
衝突事故が起きたのは事実。それなりに米側から事故の状況を説明すべきなのだが未だ口をつぐんだまま。
そんな状況でコンテナ船側の言い分だけで一方的に軽々しく断定すべきでないのは当然としても、どうもそれありなんと思ってしまいがちだ。それが事実なら明らかに衝突を避けるべきは米艦側にあることになる。
実際あり得る話しだと思う。
相手が軍艦なら高性能な機器を装備していて周囲の船舶を見落とすことなどない。まして事故原因が米艦側にあるはずも無いと信じる方もあろう。
だがそれは違う。航海の基本は目視だ。計器の有無や優劣ではない。夜の航海はその基本が試される。今でこそレーダーで確認出来るが、それはお互いの航路が行き会い関係や追い越し関係に入る前。衝突の危険が生じる前のことだ。近づけば目視による警戒の目線と操船が重要になる。それが海上交通の基本である。例えそれが軍艦であろうが商船や漁船であろうがである。要は装備品の優劣ではない。
昼間なら普通は相手が見える。が夜は闇の中に船体が隠れる。レーダーで周囲に船舶があることを確認し、かつその行動を監視する。
近づけば闇に目を張って航海灯の動きから航路の先を予測し衝突を避ける。だが航海灯は闇に浮かぶ点のようで小さく、その動きから互いの関係を判断するのは難しい。
夜間、見えるのは航海灯だけと思って間違いない。船影はもちろん船体は見えない。まして軍艦は昼間でも背景に溶け込んで見えにくい。夜は灰色の船体が闇に溶け込む。小さな航海灯の下に長く巨大な船体があることに気がつかないということもある。
ましてや空調の効いたブリッジで眠い目をこすりながらの見張りと操船では尚更。こればかりは実際に闇の中の航海を経験したことがない人には想像できないかもしれない。



by natsuman | 2017-06-27 10:51 | のりもの | Trackback | Comments(2)  

Commented by 路傍の砂利 at 2017-06-27 22:03 x
おっしゃるとおり「航海を経験したことないから分からない」です。
それなら、狭くて込み合う航路を行く時は、船のあちこちをピカピカ満艦飾にして、他の船にひと目で解るようにすればいいのに。
戦争中じゃあるまいし、軍艦だって目立たなくする必要はないはず、とおもいますけどねえ。
Commented by natsuman at 2017-07-07 09:54
航海は灯りが自由にならない無動力船の時代からありました。
今なら発電機をフルに廻して煌々と照らすことが可能ですが、帆船などではそれはとても無理な話です。
海上交通ルールはそういう時代を背景に生まれ現代に続いています。
小さな設備のない船も、大きな船も同様に渡り合えるように図られているわけです。

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