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小さな目立たない記事 1/12

 新聞というものは如何に読者に読ませるかに全てがかかっている。いやそう思ってる。
 にもかかわらず出来るだけ目立たないよう、できるだけ読者が気がつかないように、と配慮した記事がある。しょっちゅうあるわけではない。
 大体、「お詫びと訂正」とか「お知らせとお詫び」なんてのがそれだ。
 お詫びなんてのは確かに誰もしたくない。大新聞なんぞは社会的に自社の責任を追求されてもなお頬っかむりしているくらいだし。よほどのことがない限り、この種の記事が紙面に載ることはない。
 そりゃまあそうだ。世に知られたくない。出来れば隠し通したい。だがそれでは世間様が許さない。大体、法的根拠をもって行政指導を受けて、仕方なく不承不承という仕儀になる。
 出したくないが、出さざるを得ない。必然的に出来るだけ小さな文字で事情を説明する。見出しの工夫や字の大きさなど、読ませるための修飾を一切止めて、びっしり書き込んで、地味な印象を強調する。
 保険条項の文面のような出来るだけ瑕疵のないようにと気を配るほどではないものの読んで楽しい文面ではあるはずもない。そんなものをどこまで本気になって読むお方があろう。大概はサッと斜め読み。ふん、お詫びを出したかで終わる。思えばこれほど詰まらない記事もない。
 こんなもの、いっそ江戸時代のような送り仮名や句読点のない文書風の文面にしたら、誰も読まないこと請け合い。化血研の営業停止のお知らせを読んでそう思いました。

by natsuman | 2016-01-12 09:27 | 時事世論 | Trackback | Comments(0)  

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