国語教室 12/19
例えば「ご案内したいと思います」。
何かを次に進めるときは単に「~します」でいい。
だからただ単に「ご案内します」であるべきだ。「したい」も「思います」も不要。
確信したり、覚悟がある場合も「~します」だ。
意思を明らかにするなら自信を持ってしっかりと言い切りたい。
もし、そうしたいとか、ありたいと、希望や願望があれば「~しましょう」だろう。
承諾の場合もそうだ。
相手への呼びかけや、同意が欲しいとき、あるいは誘い込もうとする場合も「~しましょう」だ。
何れも「したい」とか「思います」は使わない。
ところが世の中には馬鹿も休み休みにと思うことが多い。
「ご案内したいと思います」などと云われることがある。
途端にボクは、ウン何だ?「思います」だと? そんなことを口にしなくていい。
あんたの心持ちをいちいち言葉に出さなくていい。
そんなことはどうでもいいから、さっさと案内しろなんてどづきたくなる。
「只今より〇〇会を開きたいと思います」などもそう。
正しくは「只今より〇〇会を開きます」。もちろん「したい」でなく「思います」でもない。
「~したいと思います」は無邪気な使い方。幼児語に近い。大人なら使わない。
ここで、えーっと思ったあなたは無意識の内に誤用を刷り込まれている。直した方がいい。
以前こんな事もあった。
ある病院でのこと。順番が回ってきた。
「夏丸さん、入ってもらって良いですか」と看護師さんが言う。それを聞きハイハイと了解する。
準備をしろと理解したから次の行動にと身を構えた。で「入れ」の言葉をじっと待つ。
スタート台でいざ飛び込もうと身構えているわけだ。だが一向に「入れ」がかからない。
ピストルが鳴らないのだ。
とヨーイの笛の音ならぬ看護師さんの声が聞こえる。エッ、またもヨーイの合図かと。
その看護師さんは怪訝顔だ。同じ事をまた言う。
三度目になるとああこれは入れと云うことかとやっと気がつく。
「そんな言い方はなかろう」とぶつくさ言いながらボクは診察室へ・・・・。
日本語は正しく使いましょう。以上、恩師による国語教育の影響でありました!
by natsuman | 2015-12-19 09:40 | ことば | Trackback | Comments(0)