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負けはしたが 11/16

 かっての日本海軍は世界の大勢に沿って早くから航空機の将来性に目をつけ、初戦では自らその有効性を証明します。しかし大勢は日本海海戦での大戦勝利の夢から覚めず時代錯誤な大艦巨砲思想を引きずります。その象徴が「大和」と「武蔵」でした。
 日露戦争は何も知らされない国民の目には大勝したように見えましたが、それは海戦だけのこと。海軍は勝ち戦を誇ったものの陸戦では苦戦が続き、奉天での戦いではクロパトキンの戦略的な退却が効いてせいぜい引き分けでした。
 その後も大陸での戦いは続き、政治や経済を知らない陸軍はどんどん深みにはまります。そこへ大陸の権益を求める米英をはじめとする国際的な圧力がかかり、世界を見つめる眼と外交力を持たない日本は世界の孤児になっていきます。
 アメリカの対日禁輸政策でにっちもさっちもいかなくなると日本アメリカに対して無謀な戦いを挑んでしまいます。戦いは太平洋上、当然海軍の出番です。
 時代は移っていました。戦艦同士が大砲を撃ち合う時代ではありません。航空機の時代です。日米共に海軍の主力は航空機、それも空母を中心とした機動部隊です。ミッドウエー海戦はその機動部隊同士がぶつかり合う典型でした。
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 当時、世界の海軍国はアメリカ、英国、そして日本です。英国は空母はあるものの機動部隊と言えるほどには育っていません。空母中心の戦闘システムすなわち機動部隊を持っていた国はアメリカと日本だけでした。 
 ドイツ、イタリアはもちろん、ロシアはソ連の時代になっても実用的な機動部隊を持ち得ませんでした。最近は中国も空母を手に入れましたがそう手やすく実力あるものになるとは思えません。

 日本は先の大戦で負けました。海戦に負け、アメリカの工業力に負け、物量に負けました。そのアメリカと今は防衛協定を結ぶ仲ですが、かってその強大国を敵に回して戦ったという事実は歴史に残ります。そんな国はこの地球上に日本以外にありません。馬鹿な話ですが。
 なお海戦は小規模なフォークランド戦争で終わりです。その後、大規模な海戦はありません。戦後70年経った今もないのですから今後もないでしょう。戦争自体がそうあってほしいものです。

by natsuman | 2014-11-15 10:39 | 歴史 | Trackback | Comments(0)  

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