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魔の宝剣岳 7/30

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 今朝のニュースに韓国人グループが中央アルプスの宝剣岳に登って遭難騒ぎとなり、後に二人が心肺停止で見つかったとあった。
 アルプスへ登ろうと思うと誰しもがまずは一番容易なところからと思う。宝剣岳はその一つだ。
 実はボクもそうだった。昔、中年の域に入ってまた山遊びがしたくなり、とりあえず向かったのがこの宝剣岳。とにかく入山が簡単なのが魅力だった。伊那の駒ヶ根からロープウエイが一挙に高みへ運んでくれる。
 このロープウエイ、とてつもない急登で一気に千数百mほど登る。このロープウエイで身体を動かさずに2400m級の高みへというのが曲者で、気圧の変化、酸素量の激減が高山病を簡単に誘発する。
 山頂駅を降りてカールを横断し尾根への急登を登ると、烈しい呼吸にその影響が一気に出る。尾根上には宝剣小屋があり、1泊して翌日の木曽駒ヶ岳や宝剣岳廻りに備えるつもりだったが、小屋に着いた頃にはもう頭がガンガンして気分は悪いし食欲は失せるで、ただただ横になるしかなかった。高山病であると後で気がついた。
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 宝剣岳は小屋の直ぐそばに聳えている。伊那谷と木曽谷とが競り合ってこの頂きを造ったような岩塊の中のトンガリ。頂上でもし転んだら一体どっちへ落ちるかと思わせる斜面が前後に注ぐ。
 その頂上には立ち上がるのに恰好の巨岩がある。誰しもがその岩の上に立って手を挙げたくなる。とはいえ前も後ろも数百m下まで奈落が切れ込んでいる。
 小屋からとにかく近い。しかし鎖を頼りに岩を伝い岩塊をよじ登るのは容易でない。だから良く人が落ちる。夏でも冬でも。
 中央アルプスは北アと比べれば比較的温和しい山脈が続く。ところがここはその岩稜の数百m下まで容易に乗り物で来られる。カールの景色を楽しもうと、登山ではない一般観光客がわんさとやって来る。その延長でつい容易な山と思うのか、小屋から宝剣岳を通り山頂駅まで至る岩稜ルートにスカートにハイヒールの女性がいたりして驚かされる。
「皆さん、今日は天気がいいから良いようなものの、ここはもう完全に登山者の域ですよ。もし天候が激変したら直ぐに遭難騒ぎです。そんな恰好で来る場所ではありません。山の神様のバチが当たりますよ」とボクは窘める。
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 事情は知らないが韓国人グループも案外安易な気持ちで登ったのではないか。今流行の中高年の登山、低山では何もなくても、高い山ではロープウエイの利用は危険だ。高山病を簡単に誘発する可能性がある。山頂駅を降りて直ぐに登り出すなどはもっとも避けるべきことだろう。

 折しも千葉県では、狩野山の神野寺で飼っていたトラが逃げ出し、猟友会員を繰り出して警戒する大騒ぎになっていた。ボクは5m先も見えない藪でヤブ蚊に食われながら汗だらだらに腹の減ったトラとご対面なんて飛んでもないと相手にしなかった。駆除や捕殺。狩猟とは違う。真夏の暑い最中だったと思いだした。(画像は勝手ながらnetから拝借しました)

by natsuman | 2013-07-30 10:21 | 温泉・旅 | Trackback | Comments(1)  

Commented by tokyokid at 2013-07-30 22:07 x
経験者は語る、ですね。問題は過去に学ばないで安易に登山しようとするヤカラです。私自身は、苦労してまで山に登る、なんて考えられません。

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