人気ブログランキング | 話題のタグを見る

神代桜、もう一言 4/6

神代桜、もう一言 4/6_d0013739_8455016.jpg

 先日、神代桜について書いた。それにもう一言付け加え、その現況をお伝えしよう。
 神代桜は甲府市の西方、北杜市の高台にある。と云っても周囲は田園地帯。お寺の名前を忘れてしまったが、広い境内の一角にある。もちろん桜の木で一杯。今真盛りである。
神代桜、もう一言 4/6_d0013739_846687.jpg

 広いチューリップや水仙の花畑が手前に広がり、遠くには青空をバックに雪山が並ぶ、まことに環境が宜しい。それ一本でも充分鑑賞に堪えられる銘木級の桜が沢山ある。その奥に神代桜はある。
 しかし見上げるような巨木・古木を期待していくと残念ながらがっかりする。その姿は昔はそうであったろうと想像できるものの、今は既に終焉に近づいている姿そのもの。
 去年も太い枝が一本折れたとかで、矢尽き刀折れて満身創痍の姿と云っても良い。もっと悪く云えば今や腐れかけた古木の一株にしか過ぎないとも云えよう。
 とはいえ株廻りの大きさと云うか太さはたまげるほど巨大。もし切り株にしたらその跡だけでも四畳半位、いやもっとあるかと思わせるほどの巨大さだ。
 しかしその丈は僅かせいぜい4m。ていていと聳えていたはずの幹も枝もそこにはない。残っているのは、かってそこに太い枝があったであろうと思わせる腐れた痕跡ばかり。ある種無残である。
 しかしだ。そこが桜という木の不思議さというか生命力というか、そんな老姥桜を通り越した気息奄々の樹木にも春はやって来て、辛うじて残る枝や太い幹や枝の随所からピンクの花を咲かせている。そういう意味では実に元気なご老体だなんて云っては怒られるか。
神代桜、もう一言 4/6_d0013739_8451584.jpg

 陽は燦々と注ぎ、空は澄み切った青空。周囲の木々も俄に芽吹きの季節を迎えて新芽が美しい。風はまだなおヒンヤリするものの心地よく爽やか。かく春の田園をそぞろ歩くのは気持ちが良い。
神代桜、もう一言 4/6_d0013739_846237.jpg
 
 背後に屹立するのは南アルプスの雄峰、甲斐駒ヶ岳。岩峰が一際鮮やかだ。銘水南アルプスの水はここから産まれる。

by natsuman | 2013-04-06 09:27 | 季節折々 | Trackback | Comments(1)  

Commented by tokyokid at 2013-04-06 22:44 x
いい桜花の写真、有難うございました。これだけで堪能しました。老木、というのがいいですね。人間でも桜でも、いつかは死ぬとわかって、ホッとします。

<< 昔この岩頭に登った・・・ 4/7 今盛り >>