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発砲準備なる           10月16日

 発砲とはいささか穏やかでないが、全て合法行為への準備である。法的には花火の打ち上げと同じ。明日第29回南総里見まつりへの準備だ。
 地元観光協会からの要請を受けて毎年これに鉄砲隊長として参加する。明日は城山公園で轟音と白煙のスペクタクルを展開するわけ。天気は大丈夫そうだ。
発砲準備なる           10月16日_d0013739_1362999.jpg 右の画像は、その折使う火薬を入れる薬盒(やくごう)と、その他小物を入れる胴乱。
 薬盒は古くは木製の筒であった。各火縄銃の口径に合わせてボクはケント紙を巻いて手作りする。ガラスや金属製など堅い物質では、もし間違って中の火薬に引火した場合、破片が飛び散る恐れがあるから、紙製や柔らかいプラスチック菅などの使用が望ましい。一本が1発分。明日は合計7回の発砲演武がある。
 胴乱は、植物採集の時に使う肩掛け式の、これも同じく胴乱というのがあるが、実はその種の胴回りに備える入れ物を胴乱というらしい。
 本物は革製で漆掛けにしてある。手作りだから一つとして同じものはない。しかも当時の職人の仕事であるから非常に手の掛かった美術品が時折散見される。それがまた美術品として蒐集の対象にもなる。
 残念ながらこれは手作り。大きさが丁度良いので、ある外国軍隊の弾薬箱を利用している。不思議なのはどこの国でも、この種のものはみな大きさが大体同じである。
 なお一時ファッション界を風靡したブランドもののバッグ、グッチだったかビトンだったか。あれは日本の火縄銃用の胴乱からヒントを得てデザインを模したもの。あのデザイン柄がもとは日本にあったとはお釈迦様でも知るめー、か。
発砲準備なる           10月16日_d0013739_12593766.jpg
 使用する鉄砲は江戸時代に作られた鉄砲鍛冶手作りの歴史的骨董品。以前は國友製を使ったが今は安全性が高いこれを使用。外バネ式の特徴ある仙台筒。昔の仙台藩で作られたものだ。もちろん作者の銘が刻まれている。「仙台住木田市郎左衛門直當作」と。岩手県教育委員会の登録(上)。
 足軽が使うやたら長い「細筒」ではなく、陣羽織を着るような侍が使うもので「侍筒」という。口径18mm、現代の散弾銃12番とほぼ同じ。昔の鉄だから銃身に厚みがあり実に重い。約7キロ半、現代銃の二丁分もある。
 これを担いで行進するのは段々しんどくなってきた。そこで武者行列には下の軽いのを担いで参加することにする。

by natsuman | 2010-10-16 13:19 | 祭礼行事 | Trackback | Comments(0)  

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