司馬遼太郎先生も 8月12日
そこには既に20数年の歳月が重なり、今の感覚で読むとオヤと思うところもあるが、今もある種アメリカとは何か、アメリカ人とは何かについて教示してくれるものがある。
オヤと思ったのは、この人もある種の自虐的歴史観の持ち主だったかという思いである。戦時中は戦車隊長として軍務に付いたことは読んで知っているが、どこでどう何を経験してきたか詳しいことは知らない。
他人には語りきれない忍ぶべきご苦労があったであろうことは想像するしかないものの、それだけにそういう歴史観に至るのもあながち頷けないことではないと納得もする。
しかしかの歴史大小説「坂の上の雲」もそういう観点から書きあげたかということになると、少し不信感も出てくる。
もっとも著者が活躍したその時代、戦後のGHQ管下における一方的な自虐史観を否定するような歴史認識はまだ極めて少数意見だった。今から20年は前のことである。
アメリカとは文明であり、対して日本は文化であった。先の戦争もある種、文明と文化の衝突と云えなくもない、なんて段々司馬先生の筆致に似てきた。
by natsuman | 2010-08-12 19:36 | 教育学習 | Trackback | Comments(0)