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終戦の日             8月15日

終戦の日             8月15日_d0013739_2016152.jpg 8月15日がどういう日だったか知らない国民が増えているらしい。そうだろうな、と古い人間になった前期高齢者はこの日が来る度にその思いを増す。
 若い人達のために敢えて記すが、今から62年前の今日のこの日、先の大戦が終わった。日本が敵に回したアメリカにいや連合国にひざまずいた日。日本はこの戦争に負けたとハッキリ腹をくくった日である。
 なお日本が実際に降伏に調印した日は9月2日。だから今日8月15日は日本が戦闘を中止した日と云うのが本当。
 この後、ソ連は日ソ不可侵条約を一方的に無視して満州になだれ込み、無抵抗の軍人と民間人を迫害した。北海道周辺の海では民間の引き揚げ船が国籍不明の(ソ連の)潜水艦によって多数撃沈された。

 今から66年前の1941年、日本はアメリカを向こうに廻して戦争になだれ込んだ。国力の遙かに違うアメリカとの戦争など今にしてみれば無謀としか云いようがないが、それでもその時には、やむにやまれぬものがあった、そうせざるを得なかったやりきれない日本の国情があった。 そう理解したい。だがもっと長いスパンで歴史を見る構えがあるなら、黒船が江戸湾に来た時以来、アメリカの国策に翻弄されつづけ、ついに追い込まれた日本は無駄な抵抗でいいようにアメリカの手玉に取られ、大きなしっぺ返しを受けた、たというのが実際の所だろう。
 あの戦争が侵略戦争だったと言い切るのは日本人として忍びがたいものがある。今でさえ戦争という手段で国際政治を乗り切ろうとする風潮がある。ましてや今から60数年前のこと。平和解決に武力が使われて当然の時代。
 結果として大陸で多くの犠牲を強いたことの事実は隠しようがない。だからといって今の時代感覚で過去を断罪してもそれはちょっと無理がある。
 西欧の拡張主義時代の終わりに当たって、白人の植民地主義に便乗し、ましてや日露戦争以来、奢りにおごった軍部が独創して、しかも政府がそれを押さえきれなかったのが、そもそもの間違いだが、でも時代はそれを是としていたことは確かである。それを今の感覚で批判するのは当たらない。
 たしかに国際的に見てもうまい立ち回りでなかった、だがそれをもって一方的に非とするのはさらに納得しがたい。
 今日この日、ともかくなお徹底抗戦を叫ぶ軍部を押さえて戦争は終わった。疎開していた田舎の庭先の小さな電柱に、アブラゼミが暑く鳴いていたのを思い出す。その向こう、奥の部屋で大人たちは良く聞こえない並三のラジオを取り囲み、聞き耳を立てていた。
 その日も今日のように暑い日だった。
 全戦没者の皆さん、そして戦争の犠牲者に対して合掌

by natsuman | 2007-08-15 20:00 | 教育学習 | Trackback | Comments(2)  

Commented by ロビン at 2007-08-15 22:07 x
この日の記憶には照りつける太陽とセミの声はつきものですね。私は立派な大人と思っていた先生が手放しで泣きながら白い道を歩いて来るのをトウモロコシ畑でポカンと見ている小さな女の子でした。
Commented by 夏丸 at 2007-08-16 09:28 x
私とて戦争の実際やラジオの意味など分かるはずもありません。ただあの暑かった日がそれだったかという、わずかな記憶が残っているに過ぎません。
戦争はしたくないし、するものではありません。がそれでもやむにやまれぬ事態になったら、やっぱり銃を手に取るかも知れないという気構えがなければ国が消えます、文化が消えます。そうならないよう未来永劫に日本を存続させて欲しいものです。

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