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4月20日(水) 趣味の金属加工

 連絡のあったとおり今日午前、安房貨物が重たい荷物を届けに来た。一人では車から降ろすのに、あまりにしんどい重さだと困るなあと台車を用意していたが、こりゃ重いやといいながらも運転手が一人で抱えて降ろしたのを見て、まあなんとかなりそうかとホッとする。
 小さい割にはずしりと重い。そのはずだ。いくら小さな卓上型とはいっても鉄のかたまりのような代物である。町工場のお兄さんがランニング一枚で薄暗い明かりの下で金属削っている、あのシーンの物言わぬ主人公、旋盤である。心間わずか350mmのまことに小さな可愛らしい趣味の工作用の卓上旋盤。もっと早く手に入れたかったが、やっと踏ん切って手に入れた。

 子供の頃より物を造るのが好きだった。模型造りや木工が好きな少年だった。夏休みの宿題ではいつも何かの賞をもらっていた。飛行機のソリッドモデル、電池で動く艦船、実物そっくりのフリー機四式戦、全長2mの戦艦武蔵、3本マストの帆船、イ16潜水艦、等々まだまだ沢山あった。こたつや門扉、板塀、テーブル、家庭での実用的な物も造った。

 中学では機械部に在籍し毎日シルバーピジョンのスクーターのエンジンを分解しては組み立て、新聞部で校内新聞造りに励み、さらには美術部でデッサンやクロッキーを学んだ。製図は船舶の船型設計の本を読んでいたので大のお得意だった。今と違ってプラモデルなどのない時代である。飛行機は三面図から、船は線図から読み取った。その成果はその後、独学ながらさらに進んで船舶工学の世界に達し、船舶設計の技術を一通りマスターするに至った。その知識は後年、職場で非常に役に立った。今でも船のことは詳しいつもりだ。小型船の設計に関する指導書を本にしようかと思ったこともある。

 だが金属加工の世界には手が届かなかった。しかしもともとが工学的なことに強い興味を持っていた関係から、いつしか職場で漁労機械の開発というとんでもない仕事を抱えて、油圧や機械設計のことを勉強するに至った。そうして大型の旋盤を回している機械製作所と接触するうちに金属加工に関心が高まった。
 漁労機械の研究開発には実際に漁場で漁具に架かる張力や圧力などを把握しなければならない。といってそういった向きの計測器が世にあるわけではないので、計測器から自作しなければならない。それには金属加工が必要である。そこで職場で入手したのがオーストリー製の万能工作機であった。私が旋盤やフライス盤と出会った最初である。

 昔は金属加工は工員とか職人の世界だと思っていたが、初心者ながらやってみるとなかなか面白く奥が深いことを知った。人が機械と出会い、それを駆使するようになったのも、すべからくこうした金属工作機械の発明にあったと深く感ずるようにもなった。そうして旋盤やフライス盤で何が削れるか、何を造れるのか一通り知ってしまうと、もう何でも出来るような積もりになってしまい、退職後は手元に肝心の機械がないことで残念に思ったことが何度もあった。

 そう、今日その手始めに小さな卓上旋盤が我が家にやってきたのだ。荷が届く日は予め分かっていたから、今日に合わせて置き場を用意しておけば良かったのだが、高さや台板の大きさを現物合わせしようと思い、急遽材料を仕込んでばたばたと工事を始めた。完成は明日の昼。
だからまだ肝心の機械は梱包したままである。後は明日のお楽しみ。
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    それがこうなるかどうかはまだ不明、多分難しいだろうなー

by natsuman | 2005-04-20 23:26 | Trackback | Comments(0)  

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