火縄銃の小道具

d0013739_14422361.jpg日本の火縄銃はユニークである。
利便性を求めて色々な小道具を産んだ。
火縄銃は極めて原始的な銃だ。
もちろん薬莢が発明される前の産物である。
だから火縄銃には装弾というものがない。
装弾とは火薬と弾頭と雷管を薬莢に組んだものだが、それがない。
火薬も弾丸も直接銃身の中に装填した。

銃砲は筒内で火薬を燃焼させ、瞬時に発生するガスの力を利用する装置だ。
爆発という意味では内燃機関と同じである。
ガソリンエンジンは圧縮した燃料と空気の混合物にプラグで点火する。
では火縄銃は筒の中の火薬にどうやって点火するか。
答えは銃身の基部に小さな穴を開けるだった。

外側に火皿を設け、予め少量の点火薬を盛っておく。
そこに火縄の火を押しつければ点火薬が燃えて中の本薬に点火できる。
いい例が海賊船の大砲。カラクリがない。差し火式という。
大砲の基部上方に穿った小穴に点火薬を詰めておく。
それに何かの火を押しつければ瞬時に内部に点火、発砲となる。
そこに引き金装置、則ちカラクリを工夫したものが火縄銃。
一発撃つのに手間が掛かる。色々と小道具が生まれた。
その代表が点火薬を入れる小型容器。
点火薬を口火薬とか口薬と呼ぶので口薬入れと云う。
火皿に口薬を盛るための道具である。

これが実に上手く出来ている。
画像は筆者の口薬入れの一つ。丸い実のようなものの下に黒い蓋がある。
火皿に点火薬を盛った後、手を放せば自動的に蓋が閉まるという仕組み。
口薬は着火性に富むから、使用後は直ぐさま蓋をした方が良い。
日本独特である。形や材質も様々で美術工芸品でもある。
これを如何に手早く使いこなすかは炮術演武の見せ場か。
明日はその口薬の調整を行おう。
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by natsuman | 2017-10-19 09:51 | 射撃砲術 | Trackback | Comments(0)  

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