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好い湯じゃった、だが・・・・ 7/5

 久々にお風呂へ行った。つまり湯巡りである。
 その前にどこへ行こうかと散々に迷った。朝食を済ませてから行くには塩原か那須辺りが距離的にも時間的にも都合が良い。そういえばこのところその方面はご無沙汰だ。
 よーし、そうしよう。どっちも温泉郷でそれぞれ10個所ぐらいも名湯がある。大方はみな経験しているが一ヶ所だけ、こぼれたままになってる所がある。
 塩原の塩の湯温泉である。今ではもの凄くマイナーな温泉でもある。歴史は古い。だが源泉が急傾斜の渓谷の川底にある。一方宿は崖っぷちにしがみつくように建っていて、長い階段を下りないと湯に浸かれない。
好い湯じゃった、だが・・・・ 7/5_d0013739_2234423.jpg 大正昭和時代にはそれなりに著名であった。が如何せん場所が悪すぎる。深山幽谷の風情といえば聞こえが良いが、新しい施設を作るにはあまりに地形的条件が悪い。創建当時は中々にハイカラな宿であったろうが今では朽ちてお化け屋敷のようにも見える。
 でつい利用しそびれてた。但し川底の湯はなかなかのものらしい。勇気を出して一度経験しておこうとそこに決めた。
 確かに施設はみすぼらしい。これで良く経営が成り立つなという雰囲気。一般観光客なら逃げ出してもおかしくない。しかもウイークデー。客数は数組。僅かである。
好い湯じゃった、だが・・・・ 7/5_d0013739_22343224.jpg 渓谷の露天風呂は今にも崩れ落ちそうな、くたびれた木造階段を88段も下りる。行きはよいよい、帰りは怖いだ。絶対に年寄り向きではない。
 帰りを心配しながら恐る恐る下ると、確かに川底の渓流が手に取れるような処に熱い源泉が古びた湯船にたまっている。薄ら茶色く濁った濁り湯である。良い雰囲気だ。塩の湯というから塩っぱいかと思いきや左程でもない。金臭い味はするが。
 泉質は自慢できる。湯は最高だ。が残念ながら階段も風呂も含めて施設があまりにお粗末過ぎる。まるで廃屋の中の湯屋のようでもある。これではいくらいい湯だといっても今の観光客が押しかけるはずもない。
 過去の栄光にしがみついている亡霊のような温泉と云っても良いか。なおここ、深山幽谷に過ぎて携帯がつながらない。大体、住民が何人いるのかと疑うほどの所。
 10ヶ所有る塩原温泉郷の中の特色有る温泉地として確かに輝く一つではある。が今のままでは再度の隆盛はちょっと期待できそうにない。
 一浴後の階段上りはきつかった。最後の一段でとうとう脚が絡まってけつまずいた。当然、二度目の入浴は適わなかった。

by natsuman | 2016-07-05 22:42 | 温泉・旅 | Trackback | Comments(0)  

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