50年前にあった? 9/25
房州は温暖の地。冬に菜の花が咲くと謳う。海岸地帯では昔から花卉の露地栽培が盛んだった。多少熱帯系の植物もある。椰子の実だって流れ着く。冬は越せないけれども海中には熱帯魚もいる。
だが椰子の樹がそこら中にあったわけでは無い。ましてこんな高い椰子は・・・。
あったのは海岸の黒松。昔外国船が近づくと松の木の香りがしたという。パイナップルではなかった。
椰子は外来植物。日本という風土が長年培ってきた固有植物とは違う。郷土の景観や風物にそぐわない。
そんなよそ者を街路樹にし、公園に植栽し、学校やリゾートマンションを飾るのがいいことだろうか。
土地にあった古くからの植生を大事にしたい。なのに椰子の樹が至る所で大きな顔をしてる。
もちろん自然に増えたはずもない。全て計画的な植栽。今後も続くだろう。
郊外には業者が大量の椰子の樹を抱えている。行政と業者の癒着があるのではと少しうさんくさい。
椰子の樹は安くない。大きな椰子は1本100万円だと聞く。予算の無駄という言葉が浮かんでくる。
我がマチにもハワイや南洋の風景をと憧れたか、市は何かと南欧風を奨励する。マンションから見下ろせばオレンジ色の屋根が広がっている。椰子の樹と同じ発想。ここは地中海か。
房州には房州の景観がある。よそ様をまねて肩をそびやかす時代ではない。椰子の葉そよぐ南の風景を見たければ本場へ行けばいい。
この館山駅西口の椰子を見るたびにそう思う。
by natsuman | 2015-09-25 08:48 | 自然環境 | Trackback | Comments(2)