火縄銃サミット続編 10/1
午後はいよいよ本命のギネス記録狙い。条件は最低250名以上の同時発砲。ところが実際の参加者数がぎりぎりの258名。僅か8名の不発しか許容できない。
当初は確か300名と聞いていたのだからかなり少ない。そこへきてさらに銃器故障による脱落がある。結果的に総勢252名での挑戦となった。
1回目は発砲がかなりバラバラ。おまけに不発10数名も出た。これではダメだ。
2回目は指揮者から遠い列の端の方が「放て」の号令前に発砲してしまい失敗。
残るはあと1回のみ。これやダメだーと武者の中から諦めの声が流れる。ボクもそう思った。
1mほどごとに並んだ列は凡そ300mもある。掲載の画像は発射の合間に撮った。なかなか進まないから少々だれ気味だ。
なお列が浜に沿って逆に弓なりになっている。列の両端は人に隠れて見えない。画像では長い列という実感が湧かない。がこの倍位は並んでいる。何しろ二枚目の画像の幕の部分が中央である。半分しか写ってない。
とにかく列が長すぎる。中央で号令する指揮者の声が端の方に届かない。おまけに右翼は発射方向の関係から目線が中央に向けられない。指揮者の動きは視認しづらい。これで一斉は難しい。
「聞こえるかー、聞こえたら手を上げろー」と中央からがなっても端の方はまるっきり反応がない。マイクの声が届かないのだ。おまけに上空には取材のヘリが爆音を流している。これでは無理だ。武者の何人かは「下がれー」とヘリに向かって盛んに大声を上げている。
列前面には武者10名に一人当たりの発砲確認審判員がその挙動を見守っている。なるほど認定に至るにはなかなか厳しい。なにしろロンドンから正規の認定員が来ていて固唾を飲んで見守っている。
そして最後の発砲!
「火縄付けー」、「構えー」、「火蓋開けー」、号令と号令の間の長いこと。細筒ならいざ知らず、20kgもある大筒を抱えているボクらはその重さに堪えかねて鉄砲を支えきれない。思わず「まだかー」と罵声も出る。
やがて「放てー」! と同時に旗が振られた。 そして”ダダーン!”
会場にこれでもかとばかり轟音が響く。空気が揺すぶられ、砂煙を巻き上げるかのようだ。
大量の白煙の帯が静かに流れる。
多少ずれたような気もしたが充分に許容範囲に納まった。打ち手はみんなどうだどうだと顔を見合わせる。観客もどうなったかと中央の役員席を窺う。
審判員が中央に駆け寄り不発の有無を報告し集計する。その間、武者も観客も固唾を飲んで見守る。会場がシーンとなる。なかなか審判が下りない・・・・・。
(続く)
by natsuman | 2014-10-01 06:49 | 射撃砲術 | Trackback | Comments(2)