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気象観測の要点は観察にあり     2月3日          

気象観測の要点は観察にあり     2月3日          _d0013739_10271153.jpg 昨日今日と新聞テレビは全国の大雪災害報道で賑わった。
 しかし考えてみれば、毎年この季節には雪が降る地方の大雪報道は、さすが近年にない大雪とはいえ、またその地の人々のご苦労もまた大変なこととは理解出来ても、それはまあ多いか少ないかの違いに過ぎない。
 一方、雪が降るなんて滅多にないこの房州で、しかも日中に降りしきるなんて事は近年にない天候の大珍事である。
 テレビの気象予報の解説図では南端に房総半島も出ている。もちろんご当地館山の測候所のデータが示されている。
 館山の市民はそこに釘付けになって「冬に菜の花咲く暖かい房州にも雪が降りました」と言葉が添えられるのを待っていた方も多かったろう。
 だが一言も触れなかった。はっきり言って気象庁予報士はもちろん気象庁も館山でひがな雪が舞ったなんてことを知らなかった、ということだろうね。
 測候所は数年前までは職員がいた。今は庁舎も廃止されてロボット機械が芝生の上にあるだけ。
 もちろん昨日の雪は積雪と云うまでには至らなかった。第一積雪計なんてあるわけもないし。
 それどころか降雪があったことすら中央へ伝わらなかっただろうと想像する。要は気象庁のコンピューターに館山の降雪データは届いていない、ということだろう。
 舞っても舞っても直ぐに消えてゆく雪では、雨量計がわずかに降雨を示しても、降雪があったというデータにはいたらない。もちろん職員がいないのだから、気象日誌にもないだろう。
 中央にいる人は誰も見ていないし、もし誰か観察を委託された方があれば別だが、誰も報告した人がなければ降雪は記録にも残らない。
 もしそうだとしたら気象観測が何もかもロボット化した故の人の目で見ていない弊害である。
 気象観測の要点は測定することの外に、人の目で観察することにある。ただの観測ではなく観察が大事なのだ。
 残念ながら気象予報士のどなたも、とうとう南国の雪については一言も触れず仕舞い。雪国の大雪は例年より多いというだけのこと。だが南国の雪はそれ自体が珍事。ましてや昼の雪とは。
 話の展開としては如何に日本列島が寒気に包まれたかを語れて、こっちの方が面白いのではと思ったのだが、まあこれもおらが町のことの、一種郷土愛の発露でしたな。

by natsuman | 2012-02-03 10:39 | 自然環境 | Trackback | Comments(0)  

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