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環境破壊の元凶     4月15日

環境破壊の元凶     4月15日_d0013739_20562088.jpg 最近この地に新しい道路が出来た。ブログを書くような方は皆さん大体経験済みのようだが、我が家はやっと今日そこを通ってみた。九重から南へ殆ど真っ直ぐ白浜まで新しい道路が出来ている。
 大方はこの完成を歓迎している。だがこれを渋い顔で見ているのがボクだ。
 これまで九重から大貫まで通れる南北の道路はなかった。その大貫から小松寺を通って白浜までの道は一応あった。しかしなぜかその道は軽トラの四駆でもなければとても行く気のしない、実際とても通れそうもない山道だった。若い頃ホンダの軽を駆ってあちこち駆け回った頃、一度挑戦したがとても通れなかった経験がある。
 ほかに中世の白浜城から稲村城に至る山道もあったが、これはハイキングコースにもなりそうにない難しい道。一度でも通ったことがあれば珍しい口になる。
 とはいえ山間には結構細い道が部分的にも残っている。昔は尾根筋をたどって行き来した名残だ。そんなことが云えるのは若い頃、鉄砲片手にこの辺の山を北から南へ、南から北へと随分駆け回ったからだ。
 今でこそ千倉から白浜の町には海岸沿いに道路があるが、大昔、まだ海岸段丘が発達しない前、つまり地震で海岸が隆起する以前、道は少しでも近いところをと山の中を通っていたのだ。その名残が今も山中に残っている。
 2万5千分の1の地図を片手に地形を読みながら、山中を彷徨した想いが髣髴と沸き上がってくる。まだ若かった。今じゃ恐ろしくてとても出来そうにない。
 つまりこの辺りはどこも標高こそないが、浸食作用による細かな沢や谷が発達していて、まるで迷路のように地形が混んでいる。
 ある種の人から見れば開発の遅れた不毛の地、辺地である。道路は未発達、車も腹を打つことを覚悟しなければ使い物にならない、そんな細いそま道が東西南北にわずか一本ずつあるだけ。その中心地に畑という山間の部落がある。
環境破壊の元凶     4月15日_d0013739_20572827.jpg 今こんな言い方は叱られるが、房州のチベットととも云えそうな人里離れた寒村で、そこまで行くのも容易でなかったが、ボクはオンボロ軽を駆っては良くそこへ猟に行ったものである。
 実は人のいない少ないのが何よりも辺地の感がして気に入っていた。ボクにとってはある種のシャングリラでもあった。余裕があればここに狩猟小屋を建てたいとも思ったものだった。
 今日通った道はまさにそういう山間の自然たっぷりな場所を見事に東西に分断している。無理無理に切り割った道路、うねうねと続く山間の道路は、走るに快適で、ましてや新緑に包まれた周囲の木々は山菜取りに絶好かと気をそそらせもする。
 町方の人は、きっと自然があって良いなと感じるだろう。周囲に殆ど人家の類は見えない。電柱広告の類もない。夜は真っ暗だ。それでも人はいる。見覚えのある千両の畑が随所にある。
 環境は悪くない。自然が一杯だ。素晴らしい。そのうち別荘を作ろう、作らせようとの人もきっと出てくるだろう。だが見方を変えれば、これほど自然を破壊するものもない。地形もそこに住む動植物にとっても。道路は自然破壊の元凶だ、そう感じた一日だった。
環境破壊の元凶     4月15日_d0013739_20585676.jpg
 それでもこの水辺の別荘地は雰囲気が良い。ここで老後を過ごせる人は幸せだ。ただしこれは新設道路とは関係がない。

by natsuman | 2010-04-15 21:18 | 自然環境 | Trackback | Comments(1)  

Commented by 未老女 at 2010-04-16 10:51 x
じゃあ、ここの地名を「シャングリラ」と名づけたらいいんじゃないですかねえ。
都会の人が「不老長寿」を期待して移住したり、別荘を建てたりするかも♪~♪

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